百合子の秘め事-念のための性病検査

2023-02-11

聡子さんたちと合流して、拓也と別れたことを報告した後は、改めてみんなでお茶することになりました。
男性陣は気を利かせてくれたのか途中で別のお店に入っていき、私は女性陣とさっきとは別の、少し大きめのカフェに入りました。
もう張り詰めたり沈痛な空気はなくて、席には穏やかな雰囲気が流れています。
夏美やムードメーカー的な女の子が明るい話題を出してくれたり、みんな気を遣ってくれていると感じると少し居た堪れない部分もありましたが……。
独りでいたらきっと辛くて耐えられなかったでしょうから、本当に有り難かったです。
因みに、夏美はここで聡子さんと仲良くなっていたみたいです。
二人とも明るくて世話好きなところがあるから、気が合ったんでしょうね。

途中講義やバイトなどで席を立つ人や戻ってくる人がいたりしながら、3時間くらいお茶とお喋りをしてその日は解散になりました。
私はその日はもうバイトもないし、真っ直ぐ家に帰ろうとしているところで、聡子さんに呼び止められました。
「百合子ちゃん、話があるんだけどちょっとだけいい?」
どうやら、みんなの前ではできない話があったみたい。
「いいですよ。うちでいいですか?」
「うん、お邪魔するね」
もう私のアパートの近くでしたし、聡子さんは何回か来ていたのでそのままアパートへ直行です。
部屋に入って貰ってお茶を淹れて、丁度あったお菓子を一緒に出したところで、聡子さんが珍しくちょっと言い難そうに切り出してきました。
「あのね、少し気になってることがあって……」
なんでしょうと耳を傾ける私に、聡子さんは続けます。
「拓也君の浮気相手って色んな人と遊んでるって話でしょ?その……病気とか持ってると厄介だなぁって」
聡子さんが言いたいことが、分かってきました。
拓也はユキと浮気をしてからも私とエッチしていたので、もしユキから性病などのウイルスを移されていたら私も感染してしまっているかも知れないのです。
性交渉を関して伝染する性病やその他の病気のことを考えて、私は怖くなってしまいました。
子宮頸がんのワクチンは摂取していたけれど、それ以外に対応できるような予防方法もなかったですから。
何も言わなくても拓也がコンドームを着けてくれていたのは、まだよかったですが。
どうしようという動揺が顔に出ていたのか、聡子さんは眉を下げて言いました。
「私がお世話になってる病院がいいところだから、そこで調べて貰ったらどうかな?」
聡子さんは生理不順の悩みがそのクリニックのお陰で改善したこと、先生も女性で優しい人だと教えてくれました。
婦人科なんて今まで全く縁のなかった病院で、少し戸惑っちゃいましたが。
何かあってからでは遅いし……私は意を決して、そのクリニックに行くことにしました。

講義の合間に行けるように予約し、その日時がやって来ました。
GoogleMapを頼りに辿り着いたクリニックは、建物は年季が入っているものの白を基調としていて清掃が行き届いた綺麗なところでした。
基本的に予約制だからか他に患者さんもおらず、静かで落ち着いた雰囲気です。
受付を済ませると、程なくして診察室に呼ばれました。
先生はやや小柄の穏やかそうな人で、私が事情を話すと気の毒そうな顔をしていました。
「大変だったんですね。でも、それはあなたのせいじゃない。よく診察しようと思って来てくれましたね」
「ここに通っている先輩が教えてくれたんです」
聡子先輩のことを話すと、先生は「そうだったの」と微笑んで「私のことをそう言って貰えるなんて光栄です。百合子さんのことも、責任を持って受け持ちますから大船に乗ったつもりでいてくださいね」と言ってくれたので、私は安心して身を任せることができました。

性病検査は、検体の採取と触診で行われます。
ズボンと下着を脱いで、検査台に乗るのですが、下半身だけ裸になって他人に見せるというのはなんとも居心地の悪いものでした。
最初の問診で女性の優しい先生だと分かっていて、カーテンで仕切ってあっても、まだ抵抗感がありましたが、思い切って検査台に乗った後はスムーズです。
先生はカーテンの向こうから事あるごとに声を掛けてくれて、何かの器具でおりものを取っていく感触がしました。
「続けて触診しますので、力を抜いてゆっくり呼吸をしていてくださいね」
先生の言う通りにしていると、アソコの入り口を指で触っている感触がします。
すごく優しい感触でした。
拓也とは大分違う感じでした。
拓也も優しい触り方をしていたと思うんですが、女性だから力が違うのかな?
先生の指は手袋をしている感触で、やんわりと膣の中に触れていくのを感じていると、なんだかムズムズしてきてしまいました。
服を脱いだり、陰部を見せたりしていることよりも、ちょっと気持ちよくなってしまったことの方が恥ずかしかったです。

検査の結果が出るのは4~5日後とのことでしたが、触診で分かる病気には掛かっていないとのこと。
少しほっとしながら、結果が出るのを待つことにしました。
残りの講義を受けてバイトをして、家に帰った後。
明日の勉強でもしようかなと思いながら、なんとなく検査の時のことを思い出しました。
先生の優しい手の感触を思い出したら、お股がムズムズする感じが蘇ってきてしまって戸惑います。
私、こんなにエッチな子だったかな……と困惑しながらも、ボトムに手を入れて下着の上からアソコを触ってみます。
下着越しの感触は柔らかいですが、優しい感じなのでなんとなくそんな気分になってちょっと触るという時にやっていました。
布の上からクリトリスを撫でてみると、ピンとした感触があります。
ここはエッチの時も、自分でひとりエッチする時も気持ちがいいので、オナる時はいつも真っ先に触る場所でした。
指先でこしこしと擦ると、気持ちがいいんです。
私は思わずその感覚に集中して、擦り続けてしまいました。
「んっ、んっ……」
段々気持ちよさが増してきて、声が漏れてしまいます。
それで余計に気持ちよくなって、擦るのを早くしていきました。
「ん、ぁ、ぁっ……」
腰ももぞもぞと動いてしまいます。
どんどん気持ちよさが高まって、最高に気持ちよくなりそうな感じに包まれてきました。
「ぁ、あっ、あっ……!」
イきそう!と思った時、私の手は止まってしまいました。
実は、イきそうになるとなんだか怖くなってやめてしまうので、オナニーでイったこともなかったのです。
きっとすごく気持ちいいんだろうなというのは理解しているのですが、どうしてもそこまでできなくて。
そんな風にして私のひとりエッチは終わってしまったのですが、イっていないからなのか少しもやもやしてしまいました。
最高に気持ちいい感覚を味わえば、もっとスッキリするのかな?
まだ絶頂を知らなかった私は、ひとりエッチの後よくそんな風に思っていました。
ああもう、勉強の前にシャワーしてこよ!
と、私はシャワーを浴びることで気持ちを切り替えたのでした。

数日後、性病検査の結果が出ました。
特に感染している病気もなく、他にも何も異常はないという結果が出て、心底ほっとしたのを覚えています。
拓也が不用意に遊んでいる女の子に引っ掛からなければ、こんな心配もしなくて済んだんですけどね。
あんなに大好きだったのに、今は何もかも気持ち悪く感じてしまう。
とにかく虚しいなぁ、私の約一年はなんだったんだろうと思うばかりでした。

 

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