百合子の秘め事-19歳の冬

2023-02-11

それは2年前、私がまだ19歳だった頃のこと。
冷え込みが厳しくなってきて、自然と肩を寄せ合うような季節になっていました。

アパートの一室、ベッドの上で横たわる私の上に跨った男性が、一生懸命腰を振っていました。
「ああ、ああ、いいよ、いいよ!」
息を荒げて私の中に自分のモノを抜き差ししているのは、恋人の拓也。
私の方はと言えば、自分の中を硬くなっている肉の棒が出たり入ったりしているなぁと思っているくらいでした。
「ああ、いい、気持ちいい、気持ちいいよ!」
拓也の声はどんどん興奮して、腰を打ち付けてくるのも早くなってきます。
それに合わせて私も声が出ちゃいますが、びっくりして出ているような感じで、正直なところそんなに気持ちよくはありませんでした。
「気持ちいい、いくよ!いくよ!」
グッと腰を突き出して、拓也は動きを止めました。
私は自分の中で、おちんちんがビクビクしてゴムの先っちょが膨らんでいくのを感じていました。
「はあ、はあ……気持ちよかった?」
私の横に倒れ込んだ拓也が達成感に満ちた顔で聞いてくるので、私は「うん」と答えるしかありません。
こんなに頑張って疲れた様子なのに、あんまり気持ちよくなかったなんて言えない。
おちんちんを入れられるまでは、ある程度気持ちよくなれたのも事実だったし。
乳首やクリちゃんを触られると気持ちがいいのに、中はあまり感じないのだとその時の私は思っていました。

拓也とは大学のサークルで知り合った間柄。
入学当時の私は、上京してきたばかりで同じ学校に知り合いもおらず、友人も何人か出来た程度でした。
その時入ったサークルの新人歓迎コンパで、先輩にしつこくされて上手く断れずにいた私を助けてくれたのが、拓也だったのです。
彼はひとつ学年が上の先輩で、真面目で純朴そうな印象でした。
その時助けて貰ったことは恩に感じていましたが、実際に付き合い始めたのはそれから半年経ってから。
私は初めての彼氏だったし、拓也の方もあまり女性と付き合ったことがないみたいで、どちらも異性と仲を深めていくことに慣れていなかったのだと思います。
初めてエッチをしたのは、付き合い始めてから更に半年以上過ぎた頃。
その時は痛い記憶の方が強くて、でも好きな人と結ばれて幸せな気持ちになれて嬉しかったな……。

あれから何度か拓也とエッチをして慣れてきたと思うけど、想像していたよりはあまり気持ちのいいセックスという感じじゃなかったんです。
私が未熟だからかな……とか、私も何かした方がいいのかな……と考えたこともあります。
でも、拓也はどうも清純な女の子が好きみたいで、私はされるがままでいて欲しい、みたいなことを言っていました。
エッチの前後も普段と変わらず優しかったし、別に何も不満もないし。
私にとっては勿体ない、とっても素敵な彼だと思っていました。

あの事件が起きるまでは。

 

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