百合子の秘め事-ご馳走は私?・1

その日、私はウキウキしながら夕食の準備を進めていました。
自炊メインの生活も3年目ですから、自分のご飯を作るのはもうお手のものです。
でも今日は、久し振りに人に料理を振る舞うということもあって、張り切っていたのです。
シチューはお肉と野菜を切って煮込むだけなので、付け合わせのサラダは温野菜中心にして少し手をかけたものにしようと思いました。
特にブロッコリーは、茹ですぎると美味しさが抜けてしまうので決まった時間でお湯から上げるのが命です。
スライスした茹で卵も乗せて、彩り鮮やかなサラダが出来上がりました。
鍋の具材もいい具合に煮えて、ご飯ももうすぐ炊けます。
「そろそろかな……?」
私は時計を気にしながら、駅に行く時間を見計らっていました。
寺田さんが私の部屋に来るのは初めてなので、最寄り駅に迎えに行って案内する予定なのです。
LINEで今日は定時に退社できて電車に乗るという返信があったので、頃合いを見計らっていたのでした。
少し早くてもいいかと思いながら私はコンロの火を消してエプロンを脱ぎ、パーカーを羽織って自宅を出ます。

私の部屋から駅までは徒歩7分くらい。
程々な距離で繁華街からは少し外れているので、駅に近づくにつれ周囲が賑やかになっていきます。
最近は日が沈むのも遅くなってきたので、まだ明るさの残る中に街灯やお店の明かりが点っていました。
駅前で待つこと少し。
ホームに着いた電車が走り出した後、スーツにコートを羽織った寺田さんが改札から出てきました。
「お待たせ」
仕事終わりの寺田さんに会うこともよくあるのですが、やっぱりスーツを着こなした男性って格好いいですよね。
寺田さんだから余計にそう思うのかも知れませんが……。
こんなところで見惚れている訳にもいきません。
「ご案内しますね、こっちです」
少し先に立つようにして歩き出すと、寺田さんが横に並んできました。
自分の部屋に男の人を呼ぶなんて久し振りだし、ちょっとドキドキしちゃいます。
駅からはそんなに入り組んだ道ではないので、私の部屋にはすぐ到着です。

「どうぞ、入ってください」
「お邪魔します、手を洗わせて貰っていいかな」
「はい、洗面室はこっちで部屋は向こうです」
寺田さんを部屋に案内した後、上着を脱いでキッチンに戻りエプロンを着直します。
お迎えに出ている間にご飯は炊けていたみたい。
とりあえず電気ポットで沸かしていたお湯でお茶を淹れて、鍋を温め直します。
「後は温めるだけなので、もう少しだけ待ってくださいね」
「楽しみだね」
部屋の様子を眺めていた寺田さんは、お茶を出すと「ありがとう」と微笑みました。
「こういうのもいいね」
エプロン姿を見られながら言われると、ちょっと照れ臭い感じがします。
「あはは……母が送ってくれたもので」
東京に来てまだ間もない頃、実家から送られてきた食品や日用品の中にこれが入っていたので、お料理する時は使っていたのです。
それでもそんなに必要かな、別にいいのにとか思っていたのに、好きな人に褒められると嬉しいのだから現金なものですよね。
……ちょっとだけ、こんな風に毎日ご飯を作って寺田さんの帰りを待っていられる日が来たらなぁなんて、想像しちゃいながら。
「あ、鍋見てきますね」
いけないいけない。
折角できたシチューを焦がしたりしてしまったら台無しです。
急いで見に行くと、シチューはいい具合に少しふつふつし始めていました。
できたての美味しそうな匂いが漂って、いい気分になります。
お玉で掻き混ぜながら様子を見て火を止め、私はサラダを冷蔵庫から出して、先にローテーブルに運んでいきました。
「今シチューも持ってきますから」
「ありがとう」
こういういつもとは違うさり気ないやり取りも嬉しいなぁと思いながら、私はご飯を装ってお皿にシチューを盛りつけ、テーブルに運びました。
「美味しそうだね」
「はい……」
いつも盛り付けが綺麗な美味しいお料理を食べさせて貰っているから、こんな普通の食事を出すのはなんとなく恥ずかしいですが……それでも美味しそうと言って貰えるのは嬉しい。
エプロンを脱いで向かいに腰掛けると、寺田さんは丁寧に手を合わせました。
「いただきます」
「ど、どうぞ」
まずサラダを食べる様子をドキドキしながら眺めます。
「うん、美味しい」
「よかった」
味付けは殆どドレッシングの仕事ですが、美味しいと言って貰えるとほっとします。
シチューを掬って口に運ぶ姿も、つい見守ってしまいました。
「温かくて美味しいね。ほっとする」
シチューだってルーで味付けしているようなものだけど、それを聞くと嬉しくなりました。
「野菜の切り方とかはどうですか?」
具の切り方はやっぱり、作る人や育ってきた家庭によって違ったりするんですよね。
私の場合は、家で乱切りだったから私も同じように作っていたのですが。
「野菜、そういえばうちも同じような切り方だったね。こういうのは色々あったりするの?」
「はい、いちょう切りとか……」
「確かに別の料理なら僕もそういうのやったことあるけど、シチューはこういう方がいいな」
寺田さんの家でもこんな感じだったんだ。
共通点を感じると、安堵とともにもっと嬉しさを感じてしまうのでした。
ほっとした私もサラダとシチューを食べ始めます。
うん、サラダは我ながらよくできてるし、シチューもいつも通りの味です。
寺田さんがお代わりをしてくれたのも嬉しくて、楽しい食事の時間でした。
食べ終わった食器を片付けて戻ってくると、寺田さんはのんびりした様子でお行儀よく座って私を待っていました。
ドア一枚とはいえ、開けっ放しの部屋とキッチンの間から覗く気になれば見えるのですが。
育ちがいいのかな……時々言動や仕草で感じるのですが、少しおっとりとした雰囲気があってほっとするんですよね。
「女の子の部屋って、少し緊張するね」
「あんまり来たことないんですか?」
「昔……学生時代とか若い時は結構あったんだけどね、その後は全然で」
今でも20代なんだから充分若いでしょうに、なんだか枯れたことを言っています。
「でも、私以外の女の子とも結構付き合ってたんでしょう?」
「それはまぁ、そうなんだけど……ここまでプライベートな場所に入る機会は早々持たなかったというか持てなかったというか」
結構意外でした。
女の子の扱いもエッチもすごく上手いから、もっといろんな女性と付き合ったり遊んだりしているのだと思っていたのに。
身体の関係まではいっても、あまりプライベートに踏み込むような関係にはなってこなかったということなんでしょうか?
だとしたら、私の家に来てくれたのは少し特別なことのような気がして。

――だからさぁ、百合子ちゃんも諦めないでいいと思うよ。

明日香さんの言葉が、頭の中で繰り返されます。
私にも、チャンスあるのかなぁ?
寺田さんの特別な女性になれるのかなぁ。
それを考えていたら、お腹とお股がじわっと熱くなってきちゃいました。
「百合子ちゃん?」
隣に座った私の様子に、怪訝そうな寺田さんの声がします。
どうしよう、この間勧めて貰った本の話でもしようと思っていたのに、私の身体はそれどころじゃないです。
寺田さんもそれに気づいたみたいで。
「美味しい夕飯をご馳走して貰ったばかりだけど、まだご馳走があるんだね」
「あ、あの……」
そのご馳走って、私のことですか?
そっと頬を撫でられて寺田さんの方を見ると、優しいけれど何か意味深な表情の瞳と目が合いました。
「もう食べちゃってもいいのかな?」
あぁ、この人は。
私が勝手に発情しているのに、それを自分の意向にして私が必要以上に恥を掻かないように気遣ってくれているんだ。
それを感じて、余計にお股がじゅわっと熱く潤んだ感覚がありました。
「寺田さん……寺田さん……」
上擦った声で呼ぶと、優しく抱き締めてくれます。
「食べてください、いっぱい、好きなだけ……」
本当に寺田さんに食べられちゃいたい。
そう思いながら、私は自分の部屋で彼に身体を捧げました。

「んっんんぅ……はぁん……っ」
何度も角度を変えてキスされながら、服の上から全身を解すような愛撫が降り注ぎます。
気持ちいい……シャツやブラを挟んでの感覚がもどかしくも、心地よさを生み出していました。
やがて肌蹴たおっぱいを揉まれながら、もう片方の手が足の付け根に降りてきます。
私のおまんこはもう濡れ濡れで、パンツにも愛液が染みてしまっていました。
「もう、こんなに濡れてる」
「はぅ……恥ずかしい、です」
こんなにはしたない、いやらしい子になってしまってごめんなさい。
なんだか申し訳ない気持ちになってしまって縮こまっている私の身体を包み込むようにして、寺田さんの長い腕と身体が温もりを伝えてきます。
「僕は百合子ちゃんのエッチなところも好きだよ」
「はん……っ、あうぅ……」
「僕がこんな風にしたんだしね」
そう囁きながら、下着越しにクリトリスを優しく擦ってきました。
濡れた服の感触が挟まって、いつもと違う刺激を感じます。
「あぁ、あ、あん……」
寺田さんの指の動きに合わせて、私の腰がくねくねと揺れています。
下着越しにおまんこの入り口や肉びらを擦られて、ぐじゅぐじゅと濡れた音がお股から聞こえてきました。
もうおまんこは大洪水で、私の足の付け根もぐしょぐしょです。
「あんっ、はぁん、寺田さぁん……!」
もう早く挿れて欲しくて堪らないのに、寺田さんの手はまだ下着越しのおまんこを苛めながら乳首をコリコリと転がしていました。
ああ、ダメ。
もうイッちゃう……!
クリトリスの快感が限界に達して、私は服を殆ど身に着けたままビクンビクンと盛大に身体を震わせたのです。

 

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